MacBookのグラボ搭載機の特徴と注意点まとめ

Mac

MacBookでグラフィック性能を重視する方にとって、グラフィックボード(GPU)の情報は非常に重要です。

この記事では、MacBook ProとMacBook AirのGPU性能の違いや、作業内容に応じたモデルの比較、GPUを調べる方法について詳しく解説しています。

また、グラフィック性能を外付けGPUで強化したい場合のおすすめモデルや、導入時の注意点、macOSでGPUが使えないアプリへの対処法についても触れています。

外付けGPUの活用方法や、macでの正しい確認手順など、初めての方でも理解しやすい内容となっています。

MacBookのグラボ環境に悩んでいる方が、自分に最適な構成を選ぶための手助けとなる情報を丁寧にまとめています。

記事のポイント
  • MacBook ProとAirのグラフィック性能の違いがわかる
  • Macでグラフィックボードを確認する方法が理解できる
  • 外付けGPUの選び方や対応環境を把握できる
  • グラフィック用途に合ったMacの選び方がわかる

MacBookにグラボは搭載されているのか

  • MacBook Proのグラフィックボード性能と特徴
  • MacBook Airのグラボ性能はどの程度か
  • Macのグラフィックボード比較で見る選び方
  • GPUが使えないアプリがある場合の対処法
  • グラフィックボードを確認する基本ポイント

MacBook Proのグラフィックボード性能と特徴

MacBook Proは、グラフィック性能を求めるユーザーに向けた上位モデルとして設計されており、他のMacシリーズと比較してもGPU(グラフィックボード)の性能が際立っています。

クリエイティブな作業や高負荷な処理を快適に行いたい人には、非常に適した選択肢と言えるでしょう。

まず、MacBook ProにはApple独自開発の「Apple Silicon」チップが搭載されており、モデルによってはM3 ProやM3 Maxといった上位のチップも選べます。

これらには高性能な統合GPUが組み込まれており、最大で40コアのGPU構成にまで対応しています。

これにより、4Kや8Kの映像編集、3Dモデリング、ゲーム開発といったグラフィック処理において、非常に滑らかな動作が実現されるのです。

さらに、AppleのチップはCPUとGPUが1つのSoC(System on a Chip)として密接に統合されているため、データのやり取りが高速かつ効率的です。

これがWindowsノートPCとの違いの一つでもあり、パフォーマンスの向上とバッテリー持続時間の両立に貢献しています。

実際、Final Cut ProやLogic ProなどApple純正アプリとの相性も抜群で、プロフェッショナルの現場で多く使われている理由がここにあります。

ただし、注意点もあります。

MacBook Proのグラフィック性能は高いものの、ゲーミング用途には最適とは言えません。

多くのPCゲームはWindows向けに最適化されており、Macでは動作しないタイトルも多く存在します。

また、グラフィック処理のカスタマイズ性に関しても、Windows機のようにGPUを個別に選んだり交換したりすることはできません。

このように、MacBook Proは映像編集やデザイン、音楽制作などの専門的な作業をする人にとっては強力なツールですが、目的によっては向き不向きがある点も覚えておくべきです。

MacBook Airのグラボ性能はどの程度か

MacBook Airは軽量かつスタイリッシュなデザインで人気の高いモデルですが、グラフィック性能に関してはMacBook Proほど高くはありません。

それでも、日常の作業や軽めのクリエイティブ用途であれば、十分なパフォーマンスを持っています。

Apple SiliconのM1以降のチップを搭載したMacBook Airでは、CPUと統合されたGPUが標準搭載されています。

たとえば、M2チップでは最大10コアのGPUが搭載されており、写真の編集や軽い動画編集、2Dグラフィックの処理などはスムーズにこなせます。

最新のM3チップではさらに処理効率が上がり、一部の3Dゲームや高解像度の映像編集も現実的な範囲で対応可能となりました。

ただし、MacBook Airには冷却ファンが内蔵されておらず、熱がこもると処理性能を抑える「サーマルスロットリング」が発生します。

このため、長時間にわたる高負荷の作業ではパフォーマンスが低下する可能性があります。

つまり、一時的に高いパフォーマンスを出せても、持続力にはやや不安が残るということです。

また、MacBook Airはプロ向けアプリケーションとの連携や表示性能においても制限があります。

Liquid Retinaディスプレイは美しい表示を実現しますが、ProMotion(120Hzの高リフレッシュレート)や外部ディスプレイの同時接続数には制約があります。

このような背景から、MacBook Airはビジネス文書の作成やプレゼン資料の作成、簡単な映像編集を行うユーザーに向いています。

グラフィック性能を重視した作業を頻繁に行うのであれば、Proモデルを検討する方が安心です。

Macのグラフィックボード比較で見る選び方

Macシリーズの中でグラフィックボード性能を比較すると、それぞれのモデルに明確な特性と用途の違いが見えてきます。

購入前には、自分がどのような用途でMacを使いたいのかを明確にし、それに合った性能を選ぶことが大切です。

まず、エントリーモデルであるMacBook Airは、軽量性と省電力性能に優れている一方、グラフィック性能には限界があります。

M1〜M3チップに内蔵されたGPUは日常的なタスクや軽めのクリエイティブ作業には適していますが、複雑な3Dグラフィックやゲームには不向きです。

一方、MacBook ProはM3 ProやM3 Maxといったより高性能なチップが選択可能で、最大40コアのGPUによって圧倒的な処理能力を発揮します。

映像編集、音楽制作、CADなど専門性の高い作業を行うなら、こちらが最適です。

加えて、冷却性能も強化されており、長時間の高負荷処理にも対応しやすくなっています。

デスクトップ系では、Mac miniやMac Studio、Mac Proも選択肢に入ります。

Mac StudioやMac Proは最大で数十コアのGPUや、外付けのeGPU(Intel Macの場合)にも対応しており、特に映像制作や科学計算などの分野で威力を発揮します。

ここで注意しておきたいのは、Apple Silicon以降のMacではeGPUが原則として使用できなくなっていることです。

したがって、拡張性を重視する場合は、機種選びの段階で将来的な用途も見据える必要があります。

このように考えると、Macのグラフィック性能は「何をするか」によって選び方が変わります。

軽作業が中心ならAir、プロフェッショナルな作業が多いならProやStudio、拡張性重視ならMac Proと、明確に用途を分けることで後悔のない選択ができるでしょう。

GPUが使えないアプリがある場合の対処法

Macでアプリを使用していると、「GPUが使われていない」「グラフィック処理が重くて遅い」と感じる場面があります。

これは、アプリが意図的にGPUを使用していないか、Macの設定や互換性の問題によってGPUがうまく機能していないケースが考えられます。

まず確認したいのは、そのアプリがGPUによる処理をサポートしているかどうかです。

すべてのアプリがGPUの支援を受けているわけではなく、CPU処理のみで動作するソフトウェアも少なくありません。

特に古いアプリや非対応の軽量ソフトではGPUを活用しない仕様になっていることもあります。

対応しているはずのアプリでGPUが使えない場合、次に試すべきは「外部GPU(eGPU)の優先設定」です。

Intelプロセッサ搭載のMacでは、Thunderbolt 3ポート経由でeGPUを接続し、特定のアプリに対して「外部GPUを優先する」オプションを有効にすることで、より強力なグラフィック性能を引き出すことができます。

ただし、この設定はApple Silicon(M1以降)のMacでは利用できません。

Apple Silicon搭載機では外部GPUに非対応となっているため、内蔵GPUの性能がすべてになります。

加えて、macOSのバージョンが古いことによって、GPU周りの最適化やドライバーの対応が不完全になっているケースも考えられます。

この場合は、システムアップデートを実行し、最新のmacOSにすることで改善が期待できます。

それでも改善しない場合には、アクティビティモニタを使ってアプリが実際にどのGPUを使っているかを確認するのが有効です。

「エネルギー」タブの「高性能GPUが必要です」という項目にチェックが入っていれば、GPUが使用されています。

ここに表示がない場合、アプリがGPUを使っていない、あるいはMac側で切り替えがうまく行っていない可能性があります。

このように、アプリによってはGPUを活用しない仕様であったり、設定によって使用されないケースもあるため、問題を切り分けて一つひとつ確認していくことが重要です。

グラフィックボードを確認する基本ポイント

Macに搭載されているグラフィックボード(GPU)を確認することは、自分の作業に合った性能を見極めたり、ソフトウェアの動作条件を満たしているかを判断する上で重要なステップです。

特に、映像編集や3Dモデリングといったグラフィック処理を必要とする作業では、GPU性能が作業効率に直結します。

最も簡単な確認方法は、「このMacについて」を利用する方法です。

画面左上のAppleメニューをクリックし、「このMacについて」を選択すると、概要画面に現在搭載されているGPU名が表示されます。

たとえば「Apple M3 Pro 18コア GPU」や「Intel Iris Plus Graphics 645」など、使用しているMacのチップセットに応じた情報が確認できます。

さらに詳しく確認したい場合は、「システムレポート」を開いて「グラフィックス/ディスプレイ」欄をチェックすることで、GPUの種類だけでなく、接続されているディスプレイの情報や、内蔵・外付けの区別、使用中のVRAM容量などもわかります。

加えて、macOSには「アクティビティモニタ」という便利なツールが標準搭載されています。

「アプリケーション」フォルダ内の「ユーティリティ」から起動でき、「エネルギー」タブを選ぶと、現在稼働中のアプリが高性能GPUを使用しているかどうかを一目で確認可能です。

ただし、Apple Silicon搭載のMacでは、従来のようにGPUが単体で分かれておらず、チップ内に統合された形になっているため、名称や構成がやや分かりにくいという点があります。

そのため、Apple公式サイトで自分のMacモデルの詳細スペックを確認するのもひとつの方法です。

このように、グラフィックボードの確認にはいくつかの方法がありますが、Macのモデルや構成によって見え方が異なるため、情報を正確に把握しておくと安心です。

作業に必要な性能を理解することが、快適なMacライフへの第一歩となります。

MacBookで外付けのグラボは使えるのか

  • 外付けGPUのおすすめモデルと選び方
  • 外付けでグラフィック性能を強化する方法
  • MacBookでGPUを調べる方法まとめ
  • グラボの確認方法はどこを見ればいい?
  • Mac対応グラボの導入前に知っておくこと
  • eGPUが使えるMacの条件とは

外付けGPUのおすすめモデルと選び方

外付けGPU(eGPU)は、Macのグラフィック性能を強化する手段として、特にIntelプロセッサを搭載したモデルで注目されています。

ただし、すべてのMacがeGPUに対応しているわけではなく、購入前には対応機種やOSバージョンをしっかり確認することが欠かせません。

まず、eGPUを選ぶうえで最も重要なのが「Thunderbolt 3ポートへの対応」です。

MacでeGPUを使用するには、Thunderbolt 3(USB-C)を搭載したMacと、macOS High Sierra 10.13.4以降が必要です。

Apple Silicon(M1以降)のMacではeGPUは基本的に使用できないため、Intel Macが前提となります。

おすすめモデルとしては、「Sonnet eGFX Breakaway Box」シリーズが高い信頼性を誇ります。

最大650Wまでの電力供給に対応し、Radeon RX 5700 XTやRX 6900 XTなどのパワフルなGPUも安定して稼働可能です。

また、「Razer Core X」も人気があり、拡張性の高いシャーシ設計とスタイリッシュなデザインが魅力です。

搭載するGPU自体については、Macとの互換性を考慮する必要があります。

たとえば、AMD Radeonシリーズ(特にRX 570、RX 580、RX Vega 56/64など)はmacOSでの対応実績があり、Metal APIにも最適化されています。

一方、NVIDIAのGPUはmacOSとの互換性が低く、ドライバの提供も限定的であるため、基本的に避けるのが無難です。

このように、eGPUを選ぶ際には「シャーシの品質」「対応GPU」「macOSでの互換性」「電力供給能力」の4点を軸に考えると失敗が少なくなります。

また、外付けGPUの導入には本体価格の他にGPUカードの購入費もかかるため、コストと目的のバランスも考慮することが大切です。

外付けでグラフィック性能を強化する方法

Macでグラフィック性能を強化したい場合、外付けGPU(eGPU)の導入が有効な手段となります。

特に、動画編集や3Dレンダリングといった負荷の高い作業を行う場合、内蔵GPUでは限界があるため、eGPUを活用することで処理速度の大幅な向上が期待できます。

eGPUの導入手順はそれほど複雑ではありません。

まず、Thunderbolt 3に対応したMacを用意し、対応するmacOS(High Sierra 10.13.4以降)にアップデートしておきます。

次に、対応するeGPUシャーシと、macOSに対応したAMD製GPUカードを準備し、Thunderboltケーブルで接続すれば基本的なセットアップは完了です。

接続後、macOSが自動でeGPUを認識し、設定変更なしでも一部のアプリケーションが外部GPUを使用するようになります。

ただし、すべてのアプリが自動的にeGPUを使用するわけではありません。

macOS Mojave 10.14以降であれば、アプリケーションごとに「外部GPUを優先」の設定が可能になっているため、Finderでアプリを右クリックし、「情報を見る」から該当オプションを有効にしておくとよいでしょう。

さらに、eGPUを外部モニターと接続することで、よりスムーズな表示や、GPU処理の最適化が可能になります。

このようにディスプレイとGPUを直結することで、Mac本体のリソースを節約しながら高負荷な作業を実行できます。

注意点として、Apple Silicon搭載のMacではeGPUが動作しないため、今後eGPUの導入を検討している場合はIntel Macの購入や中古市場の活用も選択肢となります。

また、eGPUによっては冷却ファンの音が気になることもあるため、静音性も確認しておきたいポイントです。

MacBookでGPUを調べる方法まとめ

MacBookで自分がどのGPUを使っているかを把握することは、作業の最適化やソフトウェアの動作確認を行う上で欠かせないステップです。

とくに、グラフィック性能が重要なアプリケーションを使う場合は、事前にGPU情報を確認しておくことでトラブルを防げます。

最も手軽な確認方法は、画面左上のAppleマークから「このMacについて」をクリックする方法です。

ここでは、現在のMacモデルやプロセッサの種類、そしてGPUの名称が一覧で表示されます。

たとえば「Apple M3 10コア GPU」や「AMD Radeon Pro 5500M」など、具体的な情報が一目でわかります。

さらに詳細な情報を知りたい場合は、「システムレポート」を利用しましょう。

「このMacについて」画面の中にある「システムレポート」を開き、「グラフィックス/ディスプレイ」項目を選択すると、使用中のGPUに関するより詳しい情報が確認できます。

ここでは、VRAMの容量、ディスプレイとの接続状態、内蔵か外付けかといった区分も含まれています。

また、リアルタイムでGPUがどのように使われているかを確認するには、「アクティビティモニタ」が便利です。

アプリケーション>ユーティリティ内にあるこのツールを開き、「エネルギー」タブに切り替えると、「高性能GPUが必要です」という列が表示され、どのアプリがGPUを使用しているかを一覧でチェックできます。

こうして複数の方法を組み合わせれば、現在のMacBookのGPU構成と利用状況を総合的に把握できます。

購入を検討しているソフトウェアの動作要件や、自身の作業内容に見合った性能があるかどうかを判断する材料にもなりますので、定期的に確認しておくことをおすすめします。

グラボの確認方法はどこを見ればいい?

Macのグラフィックボード、いわゆる「グラボ」の情報を確認するには、いくつかの方法があります。

目的に応じて適切な手順を選ぶことで、必要な情報を効率的に把握できます。

まず最も基本的なのが、画面左上の「Appleメニュー」から「このMacについて」を開く方法です。

表示されるウインドウに「グラフィックス」と書かれている箇所があり、そこに現在使用しているGPUの名称が記載されています。

たとえば「Apple M2 10コアGPU」や「AMD Radeon Pro 5500M」などのように、チップ名とGPU構成が表示されるのが一般的です。

さらに詳しい情報を知りたい場合は、「このMacについて」のウインドウから「システムレポート」を開いてみましょう。

そこから「グラフィックス/ディスプレイ」セクションを選択すると、GPUの型番、製造元、VRAM容量、ディスプレイ接続状況など、より詳細な情報が一覧で確認できます。

また、リアルタイムの動作状況や、特定のアプリがGPUを使用しているかをチェックしたいときには「アクティビティモニタ」が役立ちます。

アプリケーション>ユーティリティにあるこのツールを起動し、「エネルギー」タブに切り替えることで、「高性能GPUが必要です」という項目が確認できます。

ここにチェックが入っているアプリは、ディスクリートGPU(MacBook Proなどに搭載されている高性能GPU)を使用していると判断できます。

こうした手順を踏むことで、自分のMacのグラフィック性能やアプリごとのGPU使用状況を明確に把握することが可能になります。

これらの情報は、ソフトの導入やアップグレードの判断材料としても非常に有用です。

Mac対応グラボの導入前に知っておくこと

Macで外付けグラフィックボード(eGPU)を導入する際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

対応していないGPUやMac本体を選んでしまうと、期待した性能を得られないどころか、接続すらできないケースもあるためです。

まず前提として、eGPUの導入が可能なのはIntelプロセッサを搭載したMacに限られます。

M1以降のApple Siliconを採用したMacでは、基本的にeGPUに対応していないため注意が必要です。

つまり、eGPUを使いたいならMacBook Pro(Intelモデル)やMac mini(Intelモデル)などが候補となります。

次に、macOSのバージョンも重要です。

macOS High Sierra 10.13.4以降でeGPUサポートが正式に追加されましたが、より安定した動作や機能の拡充を考えると、macOS Mojave 10.14以降を使用しておくのが望ましいでしょう。

そして、使用するGPUの種類にも制限があります。macOSではNVIDIA製のGPUがほぼサポートされておらず、AMD Radeonシリーズが推奨されています。

特に「RX 570」「RX 580」「Vega 56/64」「RX 5700 XT」「RX 6800」などはmacOSとの互換性が高く、多くのeGPUケースで採用例があります。

さらに、eGPUシャーシ(外付けケース)もMac対応モデルを選ばなければなりません。

Sonnet、Razer、OWCなどのメーカーが出しているThunderbolt 3対応シャーシであれば、多くは問題なく動作しますが、給電能力やサイズ、静音性なども事前にチェックしておくと安心です。

このように、MacにeGPUを導入するには、Mac本体のCPU世代、OSのバージョン、対応するGPUの種類、そしてeGPUケースの仕様など、複数の条件をきちんと確認することが成功の鍵となります。

eGPUが使えるMacの条件とは

MacでeGPU(外付けGPU)を利用するには、いくつか明確な条件があります。

対応していないモデルで接続しても正しく認識されなかったり、macOSがサポート外だったりするため、購入前にこれらの条件をしっかり理解しておくことが非常に重要です。

まず、eGPUが使用できるMacはIntel製プロセッサを搭載したモデルに限られます。

これはApple Silicon(M1、M2、M3など)を搭載したMacが、eGPUのサポートを公式に行っていないためです。

MシリーズのMacはGPUが統合型で設計されており、外付けのグラフィックプロセッサを増設する構造に対応していません。

次に必要なのがThunderbolt 3ポートです。

eGPUはこのポートを介して接続されるため、物理的にThunderbolt 3(または4)ポートがあることが必須となります。

Thunderbolt 2しかないMacの場合は、eGPUに対応していないため注意が必要です。

さらに、macOSのバージョンにも条件があります。

macOS High Sierra 10.13.4以降がeGPUに対応した初のバージョンとなり、Mojave(10.14)以降ではアプリごとに「外部GPUを優先」する設定が可能となっています。

この機能を使えば、特定のアプリだけeGPUに割り当てるなど、柔軟な運用が可能になります。

また、使用するGPUそのものにも制限があります。

macOSでサポートされているのは主にAMD Radeonシリーズであり、特に「RX 580」「RX Vega 64」「RX 5700 XT」「RX 6800 XT」などが推奨モデルとされています。

NVIDIA製のGPUは、ドライバーが提供されていないため、基本的には使用できません。

最後に、eGPUシャーシの互換性にも目を向けましょう。

Sonnet、Razer、OWCなどからリリースされているThunderbolt 3対応のケースは、Macとの互換性も高く、問題なく使用できます。

ただし、電源容量や冷却性能、サイズなどはモデルによって異なるため、自分の使用環境に合ったものを選ぶことがポイントです。

このように、eGPUをMacで活用するには、対応プロセッサ、対応ポート、対応OS、対応GPUと複数の条件を満たす必要があります。

条件を満たしていれば、パフォーマンス向上が期待できる便利な選択肢になるでしょう。

MacBookのグラボに関する知識を総まとめ

  • MacBook Proは高性能な統合GPUを搭載しクリエイティブ作業に強い
  • M3 Maxでは最大40コアGPUまで対応し描画処理能力が高い
  • CPUとGPUが統合されたSoC構造で処理効率が高い
  • MacBook Airは軽量性と省電力性を重視しグラフィック性能は控えめ
  • 長時間の高負荷作業ではAirはサーマルスロットリングの影響を受けやすい
  • Apple Silicon搭載MacではeGPUが利用できない
  • Intel MacとmacOS 10.13.4以降ならeGPUの導入が可能
  • 外付けGPUにはThunderbolt 3ポート対応が必要
  • 推奨されるeGPU用GPUはAMD Radeonシリーズ
  • eGPUシャーシはSonnetやRazerなどが安定動作で人気
  • アプリごとに外部GPUを優先的に使う設定が可能(Mojave以降)
  • 「このMacについて」で簡易的なGPU情報が確認できる
  • 「システムレポート」でGPU詳細やVRAMなどの情報を取得できる
  • 「アクティビティモニタ」でアプリごとのGPU使用状況が確認可能
  • グラフィック性能の選び方は用途に応じてモデルを明確に分けることが重要

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